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■OldMac大改良術(HDD増設・交換編)(Last Update:2004-02-27)

★はじめに★
理由は人それぞれですが、今となっては、68kのような旧機種に取り付けられているハードディスクドライブ(以下HDD)に、容量、スピード、信頼性などにおいて不満や物足りなさを感じているのではないでしょうか。
そこで本章では、HDDの交換・増設にあたってあらかじめ知っておいた方がよい用語知識や、HDDの規格についてある程度書き述べた上で、68k Macに搭載できるHDDの種類、購入にあたっての注意点、そして実際の交換・増設方法へと順次ステップアップしていきたいと思います。
なお、文中の青字は用語名、紫字は青字の英語スペルで、辞書ソフトなどで調べるとさらにイメージしやすくなるものです(調べても益がないものは黒字で記述)。

★よく使われる用語をイメージを交えながら修得しましょう★
HDDには大きく分けて「SCSIインターフェイス(I/F)対応HDD」と「ATA I/F対応HDD」の二種類があります。近年では「USB I/F対応」「Fire Wire(IEEE1394)I/F対応」も登場していますが、両方とも68k Macへの搭載は出来ないためここでは省略しています。HDDはそれぞれの規格に対応したモノを接続することができます。なお、インターフェイス[interface=I/F]とは「接点(接続)」の意味ですが、「○○を接続するための規格」という意味で用いられることもあります。

HDD[Hard Disk Drive]
ハードディスクドライブの略称で、データを保存する装置・・つまり、普段使っているOSやアプリケーションや作成したファイルなどが収められている装置のことです。

デバイス[device]
HDDを含む周辺機器全般のことです。周辺機器全般なのでキーボードやマウス、モデムなどもデバイスとして総称されます。ちなみに、デバイスには、パソコンと繋いだあとに信号やデータをやりとりする際のコントローラ(※コントローラ参照)が必要になります。

ストレージ[storage]
デバイスのうち、「データの保存を目的とした周辺機器」をストレージといいます。たとえば、HDD、CD-ROM、フロッピーディスクドライブ、CD-Rなどです。

SCSI[Small Computer System Interface]
デバイスをパソコンに繋いだり、それらとパソコンがデータをやりとりするためなどに定められた規格の名称です。第2部以降で詳述しますので、ATAとSCSIは、とりあえずプロ野球の「セ・リーグ」と「パ・リーグ」みたいなカンジで受け止めておいてください。セ・リーグの試合はセ・リーグのチームだけが参加できるように、HDDの場合も原則として、ATAの規格に属するものはATAの装置のみを増設・交換できます。

PC/AT[Personal Computer / Advanced Technology]
PC/ATとは、そのむかしIBMが開発し、全世界に公開したパーソナルコンピュータの規格仕様のことで、それを各パソコン製造メーカーがそれぞれ取り入れ、やがて現在の「PC/AT互換機」と呼ばれるものに派生していきました。現在のPC/AT互換機は、そのPC/AT規格に準じて開発・製造されているため、パーツレベルでの互換性が高いのが特徴です。
PC/AT互換機が日本を席巻する以前は、NEC、SHARP、富士通などの各パソコンメーカーが独自の規格に沿ったハードウェア(パソコン)を開発していたので、NECのマシンにはNECのOSや周辺機器しか搭載できず、なおかつ独自開発のためコストが高く、店頭価格も今では考えられないほど高価なものでした。(パソコン単体で60万円くらいしました)
現在、こうして安価でパソコンを購入し、相手のパソコンとの垣根を意識せずに意思を疎通したり交流を深めたりできるのは、突き詰めれば、IBMが過去に行った企業戦略のおかげなのかも知れませんね。
ちなみに、かつてはAppleも独自でハードウェアを開発していましたが、現在では、CPU以外の大部分はPC/AT互換規格に移り変わっています。つまり、PC/ATと一部なりとも一線を画していたポリタンクG3辺りまでのマシンにパーツを交換・増設する際は、その辺の事情も考慮しながら行う必要があります。

ドライバ[driver]
ハードウェアを制御するプログラム・・と書くと堅苦しいし、目に見えるモノじゃないからイマイチ判然としないので、バッサリ直訳して「運チャン」をイメージしてみてください。ポイントは飛行機や新幹線などの「自動で運行する車両の運チャン」を想像することです。HDDなどのハードウェアは、飛行機や新幹線と同様に運チャンがいなければ何もできない単なる鉄の塊に過ぎません。・・とゆーことは「運チャン」の役割は、そのままじゃボケーッと突っ立ってるだけのハードウェアに乗り込んで無事に出発進行できる状態にしてあげることですよね。なお、MacのHDDのドライバはあらかじめOSに付属している「ドライブ設定」ですが、理屈から考えると運チャン(ドライバ)が操作のしかたを知らない車両(HDD)は運行(搭載)できないことになりますね。まさにその通りで、PC/AT互換機で使われている一部のHDDはMacに搭載できない(ドライブ設定がHDDを認識できない)ことがあるので注意が必要です。

コントローラ[controller]
HDDなどのデバイスは、データのもとになる電気信号を送り受けしたり、その送り先や受け取り先を指示したり、適切な転送モード(※転送モード参照)を選択するなどの役割を果たす「コントローラ」と呼ばれるチップが搭載されています。また、パソコン側も同じように各デバイスに対応したチップを搭載しており、相互のコントローラ間で意思の疎通を図り、安全、確実なデータ転送を可能にしています。なお、正確には「ATAコントローラ」「SCSIコントローラ」というように、デバイスの規格に沿った呼び方をするのですが、本講座では、デバイス側(HDD側)のコントローラを「コントローラ」、パソコン側のそれを「マザーボードのコントローラ」と呼び、混同を避けたいと思います。

転送モード
ATA-2やUltraSCSIなど、ある規格がサポートするデータ転送スピードの段階のことです。HDDには、規格やドライブ性能の進化にともないさまざまな転送モードが登場してきました。もちろん、新しい上位の転送モードほど高速で、HDDの交換・増設にあたっては、そういった高速な転送モードに対応したドライブを取り付けることによってスピードアップを図ることができます。 ただし、使用しているパソコンとの兼ね合いが重要で、原則としてマザーボードのコントローラがサポートする転送モードを超えるHDDを取り付けても速度の向上は見込めないので注意してください。例外は下の「HDDのI/F拡張カード」を取り付けた場合です。

HDDのI/F拡張カード
上の続きになりますが、「じゃあ、マザーボードのコントローラとは別のコントローラを持つカードを取り付けちゃえば上位のドライブも搭載できるんじゃない?」・・という考えのもとで編み出されたものが「HDDのI/F拡張カード」です。「HDDのI/F拡張カード」は、HDDのさまざまな転送モードに対応したコントローラを搭載するカードで、PCI拡張スロットなどに装着し、そこへ対応HDDを装着することによってマザーボードのコントローラとは独立した新たな転送モードを実現したり、別の規格のHDDを搭載可能にするものです。なお、HDDの拡張カードはPCIスロットに装着するタイプがほとんどなので、68k Macへの搭載は限りなく不可能です・・・・合掌

コネクタ[connector]/ポート[port]
『コネクタ』とはケーブルと機器の接続部分を指します。同じものを指す用語で『ポート』がありますが、ケーブルの両端に付いている接続部(一般的にオス側)をコネクタといい、機器に付いている接続部(一般的にメス側)をポートといいます。
ところで、内蔵機器は機器側の接続部はオス、ケーブル側の接続部はメスですが(デイジーチェーンで接続する場合はオスだったりメスだったりしますが)、この場合は、すべて「コネクタ」で統一しています。ややこしいですね・・まぁ、どっちも接続部を指す用語ですから、細かく区別しなくても大丈夫ですヨ♪

シークタイム[seek time]/アクセスタイム[access time]
シークタイムとはHDDのなかにあるディスクヘッドがディスクの所定の位置まで移動する時間のことで、HDDの速度を示す基準の一つとして使われています。アクセスタイムは、シークタイムにさらに、「ヘッドを○○の位置に移動しなさい」という命令を受け取る時間、命令を理解する時間、「移動したヨ♪」という返事をする時間を加えたものをいいます。

ディスク回転数
シークタイムと同じくHDDの速度を示す基準の一つで、「ディスクが1分間に回転する回数(rpm)」を指します。常識で考えればディスクが速く廻れば廻るほど速くなるのは当然ですが、HDDは構造上、束になった数枚のディスクをスピンドルモータという駆動装置で回転させているので、速く廻せば廻すほど当然発熱は多くなります。
のちのち詳しく説明しますが、HDDの交換・増設は熱対策が万全でないと安定した動作は見込めないばかりか、HDDの寿命も縮めることになりかねないので注意してください。

セクタ[sector]/トラック[track]/シリンダ[cylinder]/ヘッド[head]/サーフェス[surface]/プラッタ[platter]
上の6語はすべて、ディスクの「特定の部位」を示す用語です。
ディスクは片面ごとに“トラック”という同心円状(北極点の真上から見おろした地球の緯線みたいなカンジ)の区画割りと、“セクタ”という放射状(北極点の真上から見おろした地球の経線みたいなカンジ)の区画割りがされており、トラックとセクタの双方で区切られた一区画(512バイト)が、データの最小記録エリアになります。
また、ハードディスクはディスクの表と裏の両側にデータを記録できるので、表裏の同じ位置にあるトラックを特に“シリンダ”と呼びます。“ヘッド”は、レコード盤上のレコード針のような装置で、ディスクにデータを読み書きする役割を果たしており、次に述べるサーフェスと必ず同数になるため、ディスクの容量などを表す用語としても用いられています。“サーフェス”はディスク片面を意味し、もうお気づきのように、「ヘッドはディスクの片側に一つ存在する」のでサーフェスはヘッドと必ず同数になります。そのため、サーフェスで表記すべきことは「ヘッド」で代用できるので、この言葉が使われることは滅多にありません。“プラッタ”は「ディスク」とほぼ同じ意味で、主に「枚数」を表すときに使われられます。

★あとがき★
どーも、カタカナ英語ばかりで、イメージしづらかったかもしれません。できれば日本語で書きたいのですが、何度も同じ言葉を反復するときに、そのつど“放射状に区切られた区画”などと呼んでいるとかえって不便で煩わしくなってしまうのです。
パソコンに使われる英単語はそれほど難しくはありません。「はるの林檎教室」の各ペ−ジをご覧のうちに少しずつでも慣れていただけたら・・と願っています。
また、当然ですが「HDを認識させてMacを再起動する」という文を「HDをマウントさせてMacをリスタートする」というように、文章をいたずらに難解にするような記述は避けるよう心がけたいと思います。
ところで、このページに出てくるカタカナ英語は、なるべく同じページ内でその意味を調べられるように構成したつもりですが、まだまだ至らない部分も多いと思います。そのときは管理人もしくはしー半までご意見・ご指摘・ご要望をお寄せいただければ、出来る限り改善いたします。