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■OldMac大改良術(心得編)(Last Update:2001-8-01)

★はじめに★

チューンナップとは、それを行う対象に何らかの手を加えることによって快適な作業(動作)環境を作り上げることで「改良」を意味します。そして、今回このページで取り上げるパソコンのチューンナップは、あらかじめパソコンに組み込まれている内蔵パーツの一部を交換、または新たにパーツを増設する「ハードウェアのチューンナップ」です。ただし、単にパーツを交換・増設すりゃイイものでもなく、なけなしのオカネを捻り出して購入した大事なパソコンを壊してしまったり、動作は速くなったけどトラブル続きの不安定な状態に陥ってしまった例も多々あります。そこで、まず初めに、チューンナップにあたってどのような心得を持つべきかをいくつか上げてみたいと思います。

★心得其の壱★

『明確な目的を持ってからチューンナップを行いましょう』

目的って・・そりゃパソを速くすることに決まっとんねん。というツッコミが飛んできそうですが、「速さ」はチューン後に得られる効果の一つにすぎません。ここでいう目的とは「速さ」以前の・・つまり「何をする目的で速くしたいのか」の意味の目的です。なぜ目的が大切かというと、たとえば大容量の画像や音楽などを「安全」に編集・加工したい場合と、「速く」編集・加工したい場合のチューンナップでは、交換・増設するパーツや作業内容や掛かる費用などが異なってくるためです。もし、大した目的もなく単に全てを最強最速にするだけのチューンナップならば、あえて旧型パソコンにチューンナップを施すまでもなく、現在発売されている最新型のパソコンを買えば済んでしまう話ですし、それでは本末転倒になってしまいます。

★心得其の弐★

『必要最小限、最少費用、最小リスクで』

“其の壱”の続きになりますが、チューンナップを施すあまり費用がかさばりすぎると、かえって新型パソコンを買った方が良い結果になる事態も起こりかねません。チューンナップは必要最小限、最少費用、最小リスクを心がけることをお勧めします。また、それらの心がけを持つことにより、パーツを購入する際の鋭い選択眼や、ガセ情報やお店の落とし穴(←其の四で詳述)にも踊らされない冷静沈着な判断力を身につけることができると思います。

★心得其の参★

『自分の知識と判断を確信してから行いましょう』

世に出回っているパソコン雑誌やネット上で得られるチューンナップ情報は、必ずしも「正しい」とは限りません。ネット上の情報は裏付けが取れた信頼できる情報でなければそう鵜呑みにはしないと思いますが、雑誌の場合はライターの氏名が明記された商用刊行物ということもあり、無意識に信頼してしまうモノです。しかし、それら雑誌の情報にも多からず間違いは存在するもので、もし、その間違いを「正しい」と信じて行ったチューンによって損害が生じても、その責任は原則、雑誌社が負うことはありません。それはチューンナップ自体が本来の使用方法から逸脱した、発売元(Macならアップル社)の責任外の行為であり、かつ、雑誌社は通常(とゆーか絶対)チューンナップ記事に警告文や注意文を記載して、これから行おうとしてる人にチューンナップが危険をはらんでいる旨、そしてすべてにおいて自己責任で行う旨を明記しているためです。したがってチューンナップは、雑誌、またはこのページを含めたネット上の情報を取捨選択することによって得た知識をもとに、自分自身の判断に確信を持てるようになってから行うことが大切になるのです。

★心得其の四★

『売り物の責任を取ろうとしない店では絶対に購入しないようにしましょう』

もし、あなたがチューンナップにおけるすべての知識や技術を修得し、正しい判断でパーツの選択や交換・増設を行えたとしても必ずしもチューンが成功するとは限りません。それは、自分の判断ミスなどによる自己要因の他に、お店の不作為(←店として求められるごく常識的な要求すら満たそうとしなかったり、またはそれに応じようとしないこと)などによる外からの要因が絡んでくるためです。たとえば「質問や製品に触れるのは一切不可、達人専用、ジャンク(←ジャンクとは、動作保証外=主に売り手の責任放棄の意味で使われる用語です)」と題打ち、手を触れることすらかなわないガラス越しの薄汚れた半透明の袋の中の製品を正体すら明かさずに売りさばこうとしているお店や、静電気や衝撃に弱い半導体素子で構成されたパーツにもかかわらず、薄汚いペラペラのビニールに入ったポロ基盤に「保証ナシ。ジャンク」などと血迷ったシールを貼り、そんな商品とは呼べそうもない未確認物質に対して「5,000円」「8,000円」などという、昭和初期の受難な時代を生き抜いてきたヒトたちが聞いたら卒倒しそうな額を平気でつけているお店です。・・さらに、さきほどの「達人専用」でいえば、メモリなどの半導体チップで構成された超精密パーツは、たとえ達人になろうが透視をマスターしようが事前に動作不良を見抜くことは不可能です。つまり、達人専用といいながらも否応なしにヤマ勘だけで買わせ、代価を得ながら責任は免れようとする姿勢なのです。・・他の業種、たとえばラーメン屋の店主がお客に対して「いや、これは食べられるかどうか分からないんでお客さんの自己責任で召し上がって下さいネ♪」なんてのたまった日には、店、確実に潰れますよ。まぁ、あまり一般のお客さんが近寄らない裏通りで商売していたり、不作為な姿勢でいるからこそジャンクなんて売り方がまかり通っているのかも知れませんが・・。売り手と買い手は対等な関係です。たとえジャンク品が新品や保証付きの中古品より安く売られていても、買い手が金銭を支払ったうえに、その後の一切の責任を押しつけられるのなら、そういった商品の買物は一切控えたほうが良いと思います。また、チューンナップにおいても失敗する確率をいたずらに引き上げる結果になりかねません。

以上、長文、駄文ながらチューンナップにおける心得を挙げてみました。

心得は強制ではありません。持っておいた方がよい心構えです。したがって、ここまで読まれたみなさんがどう受け止められても自由ですが、みなさんの大切なマシンのチューンナップを成功に導くためにも、この記事のなかで役に立つことはどんどん利用していただきたいと思いますし、もし、お役に立てていただけたなら、この私、これに勝る喜びはありません。(←前も同じこと書いた記憶が・・)

※「はるの林檎教室」からの原稿作成の依頼に対し、快く引き受けて下さった副編集長のしー半さんに大変感謝しています。(^o^)